53番札所 安養院(あんよういん)【美浜町】
真言宗 鶴林山 安養院
咳・喘息を平癒するお地蔵様
圧倒される境内の大ソテツは、樹齢600年の天然記念物。この大きさを見上げたあとに手をあわせる「せき地蔵」は小さくて頼りなく見えますが、名前どおり咳・喘息はもちろん眼病、神経痛にまで平癒のご利益ありとして古くから信仰されています。白河天皇によって大御堂寺一山六坊中の「南之坊」として創建。建久年間(1190~1199)に源頼朝が父・義朝の追善のために堂宇を再建し、応永26年(1419)源義朝の郎党・鎌田政清の二男・政直が修復を行いました。ご本尊の「阿弥陀如来」は藤原時代の作で、政清の妻・佐野と政直が政清の菩提を弔うために安置したものです。天正11年(1583)羽柴秀吉に敗れた織田信長の三男・信孝が自決した場所でもあり、その際に使った短刀、みずからの臓腑をつかんで投げつけた「血染めの軸」、自刃の部屋などが残っています(非公開)。明治の廃仏毀釈で安養院と同じ一山六坊中の「龍松院」「慈雲院」「円明院」を合併。
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